壱話  〜朝目覚め〜


 

 浅野さんに連れられて沙夢さんの部屋へ行く。部屋は最南の角部屋。巫女の部屋の中では一番狭いらしい。
浅野さんはドアノブへ手をかけ開けようとすると、振り返って
「深黒さん、女の子ってまぁ……いろいろいますから。」と言った。
…………どーいう意味だそれ、なんて思ったけれど——

ドアを開けた。


うん、よーくわかりました。



 沙夢さんの部屋は……なんとゆーかこうー……倉庫?
いや、失礼かもしれないけれどそういうのが妥当だろう。
そのぐらいホコリまみれ、ダンボールだらけ、謎の木箱だらけ。床に物が散らばっているということではないのだが、ゴミゴミしているというか……形容し難い。

「沙夢ー。もう朝よ、起きなさい?」

なんか浅野さんが叫んでる。こう見ると、浅野さんが母、沙夢さんが出来の悪い娘……みたいな感じだ。
「ほぉら、なにしてるんですか深黒さん。手伝ってください。」
「あっ、はい。えーと……沙夢さん、起きて下さい?」

…………


なんかもぞもぞしながら「ん〜……」とかなんだりしてる。おお、かわいい。
こんな幸せな光景見てると和むなぁ。うぅ。起こすのもったいない。


「沙夢ぇー。起きなさいってば!」
「沙夢さん、起きないと浅野さんがご飯抜きだと言っていますよ?」

…………どっかーん。


「グッモーニン☆ おっはよーあさのんとみっくんw あっはー元気かな? 今日も一日がんばっちゃいなよぅ! いえい!」


……起きた。適当に言ったのに。つか朝っぱらからテンション高いですよ沙夢さん。
「ん〜。なんか暗いよう二人ともぅ!あさのん、ご飯はー?ご飯! お腹すいたー! 沙夢姫姫様様、プリン食べたいー。あ、モチロン駄菓子屋のちぃおばちゃんが作ったやつねん。さっ、下に行こ♪」
そう言いたいことを言うと、沙夢さんはメガネをかけ、さっきまで着ていた研究服(だと思う)を脱ぎ捨てたかと思えば全く同じ物を取り出してきて着、階段を駆け下りて行った。

「どうですか、深黒さん。私の苦労解ったでしょう?」
ちょっ、浅野さん。笑顔で疲れてますね絶対。
「えぇ、よくわかりました。御愁傷様です、浅野さん。」
「ま、これはこれで楽しいんですけど。」
どっちなんだ。

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